貿易の達人

第一部 貿易とは(基礎編)

第11-1章 貿易だから稼げる五つの理由

				
国外商品の取引を通じて儲けること、				
これは貿易事業で稼ぐこということです。				
				
但し、国内取引には無い難しさがあります。				
それは、国内取引には無いリスク(危険)が				
がたくさんあるからです。				
一方で、リターン(見返り)も大きいです。				
輸入貿易では、30%~60%の利益が				
見込めます。				
				
なぜ、貿易をすると稼げるのか?				
五つの理由を以下、ご紹介します。				
				
その1:				
メーカーの立場で販売ができる。				
その分、高いリターン(利益)が見込める。				
理由は、国外商品を販売する輸入者は				
国内のメーカー的な立場で販売が可能				
だからです。				
				
国内の卸売商社では、輸入者のような				
高い利益を得ることはできません。				
国内でメーカー的な立場でふるまうのは				
困難だからです。				
				
国内では、一般消費者も小売業者もメーカー				
からの情報を簡単に得ることが可能です。				
一方、国外のメーカー情報はなかなか				
得ることができないからです。				
				
輸入者が意図的に本当の製造者名を伏せる				
もできるのが、その原因でもあります。				
				
まず、国内からの仕入商品では自社が製造者				
でない限り、製造者を名乗れません。				
また、国内の製造者名は消費者が比較的				
こ容易に知るとが可能です。				
				
一方、海外の仕入先の場合、				
その本当の製造者を調べることは				
困難です。				
				
もし、それができたとしても、				
一般の消費者レベルでは、取引不能か				
相当の高い価格でしか購入できません。				
工場と直接取引するには、それなりの				
条件が必要だからです。				
				
例えば、1回当たりの発注数量です。				
個人で同じような商品を100個以上				
購入することはありません。				
一方、工場側では、最低でも100個単位				
で発注にするのは普通のことです。				
				
貿易商品は、条件付きであっても価格も名前				
輸入者が勝手に決めることが可能です。				
即ち、海外の製造者の立場で販売が				
できるのです。				
				
そのため、高い利益を得ることが可能です。				
尚、ここでは、個人の単発で数個単位で				
しか仕入しない非常に規模の小さい				
個人輸入や輸出は対象にしていません。				
				
例え、副業的に個人が輸入する場合でも				
それなりのまとまった利益を追求することを				
目標としています。				
				
尚、工場と直接取引することが困難な場合				
もあります。1回当たりの発注量が多過ぎる				
場合です。				
				
そのような場合は、海外の卸売元を探して				
小口でも対応してくれる取引先を探します。				
この場合は、1回の発注量は少ないですが、				
複数の商品をまとめることで、少しでも				
安くなるように交渉します。				
				
いずれにせよ、製造者のごとくふるまえる				
ことが可能なのが、貿易の世界です。				
国内取引では信じられない高い金額で				
販売することができます。				
				
原価500円のものを小売価格で3000円				
することなど当たり前の世界です。				
				
その2:				
安く仕入ができる。				
				
まずは発注単位が大きくなるので、				
非常に安く仕入ができます。				
特に、海外製造者と直接取引の場合、				
より安く輸入できるのです。				
				
1個で買う場合と100個では、50%以上				
その単価が違う場合もあります。				
また、輸入する際に1回当たりの輸入額が				
少ないと割高になります。				
*参照:第2章 貿易には採算発注額がある				
				
従って、貿易商品は発注単位が大きいので				
工場から買う価格も安くなります。				
また、貿易経費も安く抑えることができます。				
				
貿易取引ではより安く仕入ができるのです。				
				
その3:				
値上げがしやすい。				
				
為替レートの関係で、その時の為替により				
値上げすることが可能です。				
実は、日本円仕入条件の商品だったとしても				
為替レート状態に合わせて、				
値上げすることが可能です。				
				
為替以外の原因でも、実は可能です。				
原材料の値上がりということもあります。				
もちろん、国内の仕入先でも同じような				
ことはあります。				
しかし、貿易商品の方が容易です。				
				
実際には、海外からは半製品で輸入、				
国内で若干の加工をして販売するのが				
一番利益があげられます。				
その場合、為替レートの変動の影響は				
あまり受けることはありません。				
非常に高い利益で販売することができる				
からです。				
				
貿易商品として、付加価値を与えること				
ができれば、いろいろな理由で値上げも				
容易に行えます。				
				
その4:				
バックマージンで稼ぐ。				
				
海外から購入する際、一定の条件を				
満たせば、さらにバックマージンを得る				
ことも可能です。				
日本で行われている「歩引き」のような				
ものと考えても構いません。				
				
「歩引き」というのは、特に大手の会社の				
購買より要求される公的なリベート、				
バックマージンのようなものです。				
				
貿易の場合は、特に輸入商社が利益を				
少しでも確保するために行われるものです。				
ここでは長くなるので、その詳細は別の				
章で触れることにします。				
				
ここで言うバックマージンは、会社同士で				
双方が納得して得る公的なマージンの				
ことです。				
				
もちろん、仕入先と貿易商社間だけで行う				
バックリベートもあります。				
				
その5:				
貿易取引を通じて仕入消費税が免除される。				
				
例えば、輸出の場合、輸出者から消費税を				
得ることが困難なため、輸出額に相当する				
その仕入消費税は実際上、免除されます。				
但し、税務署への事前の手続きは必要です。				
				
日本以外の国々でも、同じように輸出品に				
限り、実質的な免税措置が取られている				
場合多いです。				
例えば、中国の場合増値税が消費税に相当				
します。仕入時に17%かかりますが、13%は				
還付(戻ってくる割合)されます。				
				
中国の仕入先と交渉するときは、このことも				
前提として適正価格かどうか検討する必要が				
あります。				
				
例えば、増値込みの価格で見積もりされた				
場合その分割高で買うことになるからです。				
				
尚、アメリカから輸入する場合、州ごとに、				
設定された売上税を払わないといけません。				
但し、州により違い0%のところもあると				
言われています。				

第00章  貿易しないと損する四つの要因

本章では、「なぜ貿易をしないと損をするのか」
をテーマに、その主な四つの要因を以下、
ご紹介します。

その1:
「国内市場だけでは、いずれは損をする。」
日本は今後も人口が減少することは周知の
事実です。その対策も不十分です。
そして、現在の日本国民の平均年齢は既に
46歳となっています。

2020年に49歳となる予測データも
あります。
そして、人口は2040年に1億人を下回る
との予測もあります。
25年後には、現在の人口の20%も減少、
そして、平均年齢は54歳となる見込みと
なっています。(2040年)

日本人だけを相手にした事業は、もはや
伸びる要素は限りなく減るということです。
実際に、例えば、バイク市場においては
日本の四大メーカーで世界市場の40%以上
を占めるほどです。

しかし、日本市場での販売の割合は5%も
ありません。
日本のバイクメーカーはそのほとんどを
海外市場で稼いでいるのが現状です。
そしてこの傾向は益々顕著になるでしょう。

国内市場のみに頼る場合、どの産業もいずれ
過当競争に陥り、廃業が続出する運命にある
と予測できます。
もちろん、高齢者をターゲットにした市場は
伸びるでしょう。ただ、高齢者市場だけでは
他の産業を支えるのには無理があります。

政府もさまざまな対策を講じることでしょう。
しかし、移民を大幅に認める政策を進めない
限り、人口を増やすのは無理でしょう。

そこで、今後、二つのケースが考えます。
①移民などが大幅に認められ、人口の減少が
ある程度抑制される、又は増える場合。
②そのまま人口が大幅に減少してしまう場合。

①の場合、在住外国人が大幅に増加します。
このケースでは、輸入品の増加が予想され
ます。
その理由は、外国人は自国の分化や習慣に
よる外国の商品の求めるため、必然的に
輸入商材が増えるということです。

日本人が好む輸入品ではなく、外国人が好む
輸入品が増えるという意味です。

②の場合、国内企業は輸出貿易抜きには、
事業が成り立ちません。国内需要が劇的に
減少して行くからです。輸出事業無しに
企業経営することは不可能になるでしょう。
又は、海外に事業の拠点を移さざるを得ない
かもしれません。

従って、輸入や輸出の事業をすることを考え
ない企業は、「損をする」というより「淘汰」
されることになるかもしれません。

これは、企業に限らず、個人の場合でも同様
の事態に発展するものと筆者は予測します。
個人でも輸出や輸入するなどの副業を考え
べきでしょう。
国内企業に従事する仕事も激減する可能性
が高くなるからです。

いずれにせよ、国内市場に依存する時代は
既に終わりを告げたということです。
幸い、今は個人でも輸入・輸出する環境が
あります。例えば、
インターネットを利用した販売事業です。

いずれにせよ、近い将来を考えて、貿易事業
を行うことは将来リスクの回避のための方策
となることは間違いないでしょう。

その2.
「為替変動による損失をかぶる。」

今、輸入貿易しかしていない輸入商社は
今後、輸出もすべきです。
その理由は、為替変動に対してのリスク回避
がやり易くなるからです。
また、新規市場の開拓にもなります。

一方、輸出貿易しかしていない輸出商社は
今後、輸入もすべきです。
その目的は、為替変動に対してのリスク回避
です。
また、新規市場の開拓にもつながります。

片方だけの貿易事業では為替変動リスクを
軽減することは困難です。
例えば、円安の場合、輸入商品はすべて高く
なります。一方、輸出商品は、安くなるので
販売がしやすくなります。

為替予約やオプション取引などを利用すれば
ある程度の為替変動による損の回避は可能
ですが、限界もあります。
しかし、両方の事業をしている場合は、
その時の為替の変動具合に応じて優先する
事業を調整することでしのげるのです。

貿易を全くしていない場合はどうでしょうか?

この場合でも、実は為替変動による損を
しています。
円安の場合、まともにその影響を受けて
輸入品を高く買うことになります。
円高の場合でも、通常、輸入商社はすぐに
値下げを行うことはしないので、やはり
高く買うことになります。

その3.
「自社品の売行予測を間違えて損をする。」

貿易をしていない場合、世界市場で見た場合
の自社商品の位置付けが分かりません。

しかし、常時貿易事業をしているケースでは
世界市場における商品の価格を客観的に
いつも注意して見る習慣が身に付きます。
自社商品が今本当に安いのか高いのかの
判断もできるようになります。

急激な円高で輸入品の方が国産より圧倒的に
安くなった場合、海外輸入品との価格差を
すぐに気がつくことはありません。
普段輸入品を取り扱っていないからです。
その結果、輸入品との競争に負けて大きな
損害となるということです。

その4.
「儲ける機会を逃すことで損をする。」

貿易事業をしないことにより、下記の様々な
機会損失をすることになります。
①
「自社商品の改善、新商品開発に遅れる。」
海外商品を取り扱うこと、または自社商品を
海外に売り込むことが、自社商品の改善に
つながります。或いは新商品の開発を促進
することにもなります。

即ち、海外との取引を実行しないため、その
ような機会損失をすることになります。
例えば、半製品で海外仕入て国内で加工して
準国産品として販売することで利益を上げる
こともできます。

或いは、その逆のケース、国産品を半製品
として販売することも可能です。
革新的な技術は海外の方が圧倒的に多く、
その国の事情に合わせてさまざまな製品が
販売されています。

②
「海外の販売形態、ビジネスモデルを真似る
或いは、参考にして新しいビジネスモデルや
販売形態を創造する機会を失っている。」

海外では国内では信じられないような
変わったビジネスモデルや販売形態が存在し
ています。
例えば、未だに台湾では「夜市」が各都市に
あり、個人商が路上でおもちゃから子供服、
靴などが販売しています。

かっては、駅周辺や映画館の前など人の
にぎわう場所では、金色や銀色のタバコ
ケースが路上で売られていました。
これを見て、実際に夜市の場所を確保して
現在も商売をしている日本人の企業家も
いるほどです。

貿易をすることで、当然、海外に行く機会が
増えます。
例えば、海外の展示会に、海外の取引先に
行く場合があるからです。
その時に、現地をよく視察してみて下さい。

国内には無いビジネスモデル、販売形態を
発見できるはずです。
国内にいるだけでは、そのような発見は
難しいでしょう。

③
「海外の人材を得る機会を失っている。」
海外には優秀な人材を多く発見できます。
しかし、貿易をしていない企業はそのような
海外の人材を発掘できる機会は少ないと
言えるでしょう。

海外取引先の人材と交流することにより
その可能性も高くなります。
前述したように、いずれ海外の人材との交流
抜きにはこの国の将来はありえません。
移民が大量に訪れる時期が来ることが予想
されるからです。

もし、そうならなかった場合でも海外へ拠点
を移すことになるでしょう。
そのようなケースを想定すると外国人を雇用
できる体制づくりは不可欠となってきます。
海外の人材を発掘・養成する機会を貿易
することで失わないようにすべきでしょう。

④
「海外との事業提携を行う機会を失う。」
例えば、輸入商社として海外の製品の総代理
店をしている場合、その製品を供給している
企業と本格的な事業提携をできる機会が
訪れる場合があります。

もちろん、すぐにはそのような機会が来る訳
ではありません。
何年かおつき合いを継続している内に、
お互いの長所短所を確認しつつ、信頼関係が
醸成されてからの話です。

貿易事業をしない場合、そのような機会が
来ることはまずありえないでしょう。

筆者も実際にそのようなケースを多々見て
参りました。
国によっては、海外からの進出企業の資本が
49%までしか認めていない国もあります。
そのような場合、その国に進出したくても
強力なコネ、安心できる提携先がなければ
進めることができません。

貿易事業を継続することでそのような機会を
多く生むことが可能です。

11-2.貿易しないと損する四つの要因

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