第1章  貿易事業では専門商社しか儲からない !	!		

    国外商品の取引を通じて儲けること、			
  これは貿易事業で稼ぐこということです。			
			
  この時に、一番大切なことあります。			
  それは、扱う商品をとにかく絞ることです。			
  万一、商品がなかなか絞りきれない場合は、			
  まず、扱う商品の業界を絞り込みましょう。			
			
  例えば、野外で使う「テント」を販売する			
  と決めるということです。			
  もし、「テント」だけの販売に自信が無い場合は、			
  「アウトドアグッズ業界」に絞り込みます。			
  その上で、「テント」以外の商品を探します。			
  例えば、「リュック」や「寝袋」です。			
			
  但し、扱い品目が多くなり過ぎないように			
  注意が必要です。			
  業界としては、一つのみ絞り込みます。			
  また、主な商品もできるだけ絞り込みます。			
			
  アウトドアグッズの場合、			
  ある国外メーカーは次の4種の商品のみを			
  製造販売しています。			
  テント、リュック、寝袋、調理具です。			
			
  ネット販売サイトの分類では、			
  ウエア、ライト、食品などの他の商品も			
  ありますが、1~2種くらいに絞ります。			
			
  その理由は、扱い商品の種類が多すぎると			
  専門家になれないからです。			
  また、その分、資金も多く必要となります。			
			
  貿易で稼ぐには、取扱い商品の専門家に			
  なる必要があります。			
  実際に、貿易商社として活躍している			
  会社はそのほとんどが専門商社です。			
			
  貿易事業に限らず、何かで稼ぎた時、			
  自分があまり知らない商品を取り扱っても			
  儲けることは、困難だからです。			
			
  どんな商品でも、必ず競合があります。			
  同じような商品を販売する同業者がいます。			
  競合に勝たねばなりません。			
			
  そのため、商品をできるだけ絞り込みます。			
  その分野で絶対に誰にも負けないことです。			
  いわゆる弱者の戦略です。			
			
  個人企業・中小企業で人材も資金少ない会社			
  では商品や市場、業界を絞り込むことでしか			
  勝つ道はありません。			
			
  筆者は、過去25年以上に渡り、貿易事業に			
  関わって来ました。			
  また、200社以上の貿易会社との取引を			
  経験しました。その内10社は実際に勤務			
  または、出向したことがあります。			
  その中で、専門商社ではない貿易会社は			
  一つもありませんでした。			
			
  今、流行している商品を追うのは問題です。			
  その流行は一時的なものなので、			
  継続性があるかどうかは不明なはずです。			
  じっくりと、自分の得意分野、専門分野の			
  商品を販売しましょう。			
			
  それではどの程度までの専門家に			
  なればよいのでしょうか。			
			
  それは、4段階あります。			

  【第一段階】			
  初期の段階では、主に知識レベルで			
  商品を良く知っているかどうかです。			
  例えば、自分の取扱い商品の性格です。			
  最寄品であるか、買い回り品であるか、			
  などの違いです。			
			
  最寄品は、飲料、たばこ、新聞など			
  コンビニで買えるようなもののことです。			
  日用品とも言えるものです。			
			
  一方、買回り品というのは、通常、			
  コンビニで買うようなものではなく、			
  どちらかと言えば、専門的な商品です。			
  個人の趣味、好き嫌いで買う商品です。			
			
  通常、他の店、他のブランドの違いなど			
  比較してから買う商品です。			
  金額も最寄品に比べると高くなります。			
  安いというだけでは買わない商品です。			
			
  商品の仕様、特長、セールスポイントを			
  確認してから買う商品です。			
			
  次のようなことも知っておくべきです。			
  現在の市場最低価格と最高価格です。			
  ほぼ同等品であるのに、なぜ違う価格で			
  販売されているのかの理由です。			
			
  知名度が高い、ブランド品だから高い			
  商品もあります。			
  知名度は低くても、他のメーカーにはない			
  機能が多く付いているものもあります。			
			
  男性向け、女性向け、中高年者向けなど、			
  ある特定の顧客層向けの商品もあります。			
  自分の取り扱う商品の特長、性格をまず			
  把握するようにしましょう。			
			
  以上は、知識レベルでの話でした。			
  
  【第二段階】			
  次に、実際に販売するためには、			
  商品説明文の内容を考えなければなりません。			
  ネットに掲載するときの説明文のことです。			
  通常、画像付きにするため、商品撮影も			
  必要となります。			
			
  出荷時の梱包の仕様も決めておきましょう。			
  運送方法についても宅配便にする場合、			
  郵送にする場合などの取決めが必要です。			
			
  ネットに掲載するまでの販売工程の作業が			
  必要です。			
  一方で、販売商品の仕入工程の作業が			
  必要です。			
			
  仕入では、仕入先への発注・支払・入庫			
  までの工程を管理する必要があります。			
  販売では、商品情報や受注条件の掲載、			
  注文受付、入金、出庫までを行います。			
			
  このような工程は、現場の作業レベルの			
  仕事となります。			
			
  ここまでは、誰でも慣れればできます。			
  そして、特別な能力は必要ありません。			
  専門家と言えるレベルではありませんが。			
  ここまでを、作業レベルの仕事とします。			
  
  【第三段階】			
  次に技能レベルの仕事があります。			
  この技能レベルの仕事ができないと			
  儲かりません。			
  競合する業者に負ける可能性が高く			
  なるからです。			
			
  技能レベルの仕事とは、			
  商品やサービスに同業者には無い			
  付加価値を付けることです。			
  他業者との差別化のことです。			
			
  例えば、同じような商品を販売する時、			
  価格の安さだけで対抗しないことです。			
  できるだけ、自社製品にしかないような			
  機能、品質、サービス、保証などで対抗			
  すべきです。			
			
  価格の引き下げは、値下げの戦いとなり、			
  得るものがありません。			
  一方、たった一つの機能でも、			
  それが魅力のあるものであれば、			
  戦えます。			
			
  ここで言う、技能とは、そんな付加価値を			
  付ける技能のことを言います。			
  例えば、ブランド化して、新しいブランド			
  マークをつけることです。			
  これに伴い、包装も改善します。			
			
  他社に無い機能や品質、色の種類を増やす			
  ことも考えられます。			
  付加価値の無い商品は販売が困難です。			
  また、販売できても、利益が少ないのです。			
  そのためには何か付加価値が必要です。			
 
  【第四段階】			
  そして、圧倒的な付加価値作りができる時、			
  これを技術と呼びます。			
  これは他社がすぐには真似ができません。			
			
  技能レベルではまだ短期で真似されます。			
  技術レベルの付加価値は、短期では真似			
  できないのです。			
  それでは、短期で真似ができない技術とは			
  何でしょうか。			
			
  それは、例えば新しい機能を付けた商品の			
  生産速度に関するノウハウです。			
			
  非常に手間のかかる機能や品質は通常かなり			
  のコストがかかります。			
  そのような機能や品質は、真似したくても			
  真似するのが困難です。			
  そこには、何かノウハウがあるのです。			
			
  それが、技術です。			
			
  別に、特許を取れと言うのではありません。			
  他社ではすぐには真似しにくい付加価値を			
  作ろうということです。			
			
  以下の事例で具体的に説明しましょう。			
			
  【第一段階】			
  テントを販売することにしました。			
  春夏の4人用までの家庭用のテントのみに			
  絞って売ることに決定。			
			
  多くのアウトドア商品のサイトを調査。			
  そして価格帯、平均単価、売行き状況			
  なども調べました。			
			
  同時に海外仕入先も発見。			
  輸入の際の関税も調べました。			
  運賃や通関費用など他の費用も試算、			
  原価も分かっています。			
			
  その結果、十分にこの仕入先の商品で			
  販売できそうなことが分かりました。			
			
  【第二段階】			
  下準備が整ったので、			
  早速、仕入商品の見本を発注。			
  本番の商品が入荷するには、			
  約3ヶ月間かかります。			
			
  その間に、販売のためのネットのサイトの			
  申込みも完了。			
  入金とサイド経費支払用の新しい口座			
  も開設しました。			
			
  輸入時に、通関代行業者を使うと相当の			
  費用がかかることが判明。			
  自分で直接に通関することに決定。			
  ある知合いの人に無償で通関のことを			
  教えてもらうことになり、勉強しました。			
			
  【第三段階】			
  前述の調査の結果、どのメーカーも			
  その種類が少ないことが分かっています。			
  色数も少ないので、買う人に色んな色を			
  選ぶことができません。			
			
  そこで、当社にしかできない色を加える			
  ことにしました。			
  その分、在庫が増えるのですが、			
  色のバリエーションで付加価値を			
  訴えることにしたのです。			
			
  商品のブランドマークもその種類に合わせて			
  5種類作ることにしました。			
  それぞれ特長があります。			
  これによって、買う人の選べる範囲が			
  非常に多くすることができました。			
			
  【第四段階】			
  前述の【第三段階】までは、まだ他社でも			
  短期に真似ができます。			
  そこで、海外の仕入先との共同開発として、			
  当社側で設計した全天候型のマルチユース			
  のテントを開発することにしました。			
			
  通常、テントは夏用冬用に大別されます。			
  一般のキャンプ用と登山用にも分かれます。			
  そこで、基本のテントは一つにして			
  オプションの強化金具と強化保護生地で			
  全天候型のテントにすることにしました。			
			
  このテントが完成したら、少なくとも日本では			
  実用新案を申請する予定です。			
			
  上記は、あくまでも、仮の例ですが、			
  筆者の趣旨はご理解いただけかと思います。			
			
  この【第四段階】まで到達したら、			
  貴方は間違いなく、この道の専門家です。	


             - 次章へ続く-

2.貿易には採算発注額がある

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