第3章  貿易の落とし穴(不思議な運賃条件)			
国外商品の取引を通じて儲けること、			
これは貿易事業で稼ぐこということです。			
			
この時に、特に注意すべきことがあります。			
それは、仕入先との商品の貿易条件です。			
貿易における商品の受渡し条件は			
通常、国内とは違う条件となります。			
			
FOBとかC&Fと呼ばれる条件です。			
CIFやEX.WORKSもあります。			
主にこの4条件が理解できれば十分です。			
			
既にご存知の方も多いと思いますが、			
念のため、復習しましょう。			
			
FOB			
Free On Boad			
輸入港で船に商品を載せるまでを			
輸出者がその費用を負担する条件です。			
この後の費用は輸入者負担となります。			
			
この場合、輸入者は次の費用を負担する			
ことになります。			
			
1.海上運賃:Ocean Freight			
  国外の港から国内の港までの運賃			
 通常、船会社に払う費用です。			
			
2.混載費用(CFS Charge)			
  国内港に到着した混載貨物に関する			
 費用です。船会社へ支払ます。			
			
3.コンテナ取扱費用			
  Container Handling Charge			
  (CHC Charge)			
  混載貨物を積んだコンテナの取扱い費用			
 のことです。			
 やはり、船会社へ支払うものです。			
			
4.出荷指図費用			
 Delivery Order			
  船会社からの出荷指図をするための費用です。			
 港の倉庫から商品を受け取る際に必要です。			
 やはり、船会社へ支払うものです。			
			
5.書類作成費用			
 Doc Fee			
  一連の作業工程の中で			
 船会社が発行する書類の作成費用です。			
			
6.輸入通関にかかる費用			
 税関より輸入許可を得るために行う費用です。			
 通常、乙仲と呼ばれる「輸入通関代行業者」へ			
 その業務を依頼します。			
 輸入の申告、船会社への代理支払い、			
 税関への関税・消費税の立て替えまで			
 してもらえる場合が多いです。			
			
 国内の運送も手配を依頼できます。			
			
従って、商品が国内の港に到着後に			
支払いが発生する先は、			
1.船会社			
2.通関業者			
となります。			
納税も運送も通関業者へ依頼した場合。			
			
C&F			
Cost & Freight			
運賃込み受渡条件			
前述の1.海上運賃のみ、輸出者が負担			
する場合の条件です。			
			
CIF			
Cost, Insurance, and Freight			
C&F条件に海上保険料を			
輸出者が負担する場合です。			
			
Ex.Works			
工場渡し条件			
輸入者の費用負担が一番高くなる条件です。			
国外現地の製造者或いは供給者の倉庫渡し			
条件です。			
国外現地での運送費用、輸出通関費用			
などを輸入者が負担することなります。			
			
貿易における商品の受渡し条件は			
上記の4パターンを覚えておけば十分です。			
			
しかし、この中の運賃込み条件である			
C&F, CIFは、国内の運賃とは違う			
形態となっています。			
			
国内で運賃込みで商品を購入した場合、			
商品が消費者に届いた時点で			
運賃の請求が別途されることはありません。			
			
ところが、貿易においては、別に運賃相当			
の費用を船会社が輸入者に請求してきます。			
C&F, CIFは、両方ともに			
運賃含む受渡条件のはずでした。			
			
なぜでしょうか?			
			
国内取引上の運賃込み条件の感覚で言うと、			
明らかに違います。			
なぜ、別途、船会社に運賃に相当する費用を			
支払う必要があるのか疑問です。			
			
これは、国際運送上の慣習です。			
即ち、海上運賃のみを含むのが、			
C&F,CIF条件という意味です。			
海上運賃以外に発生した船会社に支払うべき			
費用は、輸入者に負担して下さいということです。			
			
これが現実です。			
そして、ここに大きな落とし穴があります。			
			
海上運賃以外の費用は、通常、何の説明も			
なく、船会社から輸入者に請求書がきます。			
輸入者は通常、その請求とおりに船会社に			
その請求額を支払います。			
			
この場合、輸入者が事前に船会社から			
海上運賃以外の費用を知らされている			
場合は、問題ありません。			
現実は、船会社から事前にその費用を			
輸入者に知らせることはありません。			
			
その理由は、C&F, CIF条件の場合、			
輸出者が航路や船会社を選択するからです。			
そして、輸出者は船会社から請求を受ける			
金額は、海上運賃のみだからです。			
			
輸出者は、海上運賃のみを意識します。			
しかし、輸入者が支払うべき、それ以外の			
船会社へ支払う金額には関心がありません。			
輸出者が支払わなくても構わないからです。			
			
船会社を選択する権利を有しているのが			
輸出者のはずですから、輸入者としては			
海上運賃以外の費用も考慮して船会社を			
選択して欲しいものです。			
			
しかし、そこまで気をつかってくれる輸出者は			
ほとんどないでしょう。			
			
そのため、船会社は少しでも多く輸入者に			
費用を請求するようになりました。			
その証拠として、下記のような費用の項目が			
あります。			
			
BAF			
Banker Ajustment Factor			
燃料調整係数による燃料割増料金			
BS:Banker Surcharge			
と言う場合もあります。			
EBS/EFAF/FAFと			
呼ばれることもあります。			
			
CAF			
Currency Ajustment Factor			
通貨変動調整係数による為替に伴う割増金			
			
YAS			
Yen Appliciation Surcharge			
日本円の変動に伴う割増金			
			
Systme Charge			
システムチャージ			
何の意味か不明のチャージです。			
船会社から請求が来るので			
運賃に相当する費用です。			
			
System Charge以外は、通常			
その時期により金額は定額であり、			
すぐに変動はしません。			
			
ところが、船会社からの請求を調べると			
実際は、そうでもありません。			
			
この運賃を請求する仕組みは、実は			
輸入者があまり強く言わないことを前提に			
船会社が任意でいろいろな名目で			
輸入者に請求しているのが実態です。			
			
但し、この現実は意外に知られていません。			
実際には、このようなチャージは払わないか			
減額することも可能です。			
			
筆者も実際に試してみましたが、			
船会社と交渉して減額することは可能です。			
この実情を知っている輸入者は、実は事前に			
輸出者または船会社から見積もりを取り、			
確認してから輸入手続きを行っています。			
			
輸出者と船会社の談合による場合もあります。			
輸出者は、本当はFOB条件価格だが、			
今回は、輸出者が運賃を負担してC&F条件			
とする場合です。			
			
これが本当であれば、輸出者は運賃分を			
値引きしたことなります。			
しかし、実際はその運賃分を別な費目で			
船会社から請求が来るだけです。			
			
筆者が経験した一番ひどいケースでは、			
指定の港以外に故意に到着させます。			
そこから転送させる費用が発生し、			
これを請求をするという悪質なものです。			
			
納期は余分にかかります。1週間遅れです。			
また、費用も数万円かかりました。			
その時の費目の名称が、			
前述のシステムチャージです。			
			
あるアジアの国では、このようなことが			
当たり前になっています。			
しかし、国内の輸入者でもこの実態を			
知らない会社はたくさんあるようです。			
			
このようなことを防ぐ方法はあります。			
この章では、その対策までは述べません。			
別の章で解説致します。			
			
いずれにせよ、まずはこのような実態がある			
ことを認識して下さい。			
  		
        -次章へ続く-

4.貿易規制に要注意!

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