第10章 貿易商品の原価計算	
国外商品の取引を通じて儲けること、	
これは貿易事業で稼ぐこということです。	
	
但し、国内取引には無い難しさがあります。	
特に、原価計算には注意しましょう。	
ここでは国外からの輸入商品の場合を解説。	
	
①為替レート変動により原価も変動すること。	
  外国通貨で買うことになるので、	
  その通貨のレート変動幅を予測する必要	
  があります。	
	
   為替の変動幅はどのくらいに	
  するべきでしょうか。	
	
   それは、下記の二つの時期の差を計算して	
  決めるべきです。	
  その一つ目の時期は、	
  注文の内容と金額が確定した時です。	
  これは、仕入先の発注請書が	
  到着した時点で確定します。	
	
  仕入先の発注請書は、通常、	
  Poroformer Invoiceと呼ばれています。	
   発注者である輸入者の注文書に対して	
  発行されるものです。	
  Sales Note, Sales Contractと呼ぶ	
  場合もあります。内容はPIとほぼ同じです。	
	
  この書類の到着日が8月1日と仮定。	
  この日をAとします。	
  	
  その二つ目の時期とは、	
  輸入者が商品代金を支払う予定日の	
  ことです。この日をBとします。	
   この支払予定日を9月29日と仮定。	
   AとBの差は、ちょうど60日間です。	
 	
  そして、Aの日のレートは対米ドルで	
  125円でした。金額は4万ドルとします。	
  	
 支払代金確定日のAの日に即支払をすると	
 \125.00 x USD40,000.00	
 =500万円が必要です。	
	
 しかし、もし9月30日が支払予定日とすると	
 その日のレートを予想する必要が	
 あります。60日後のレートの予測です。	
	
 このAとBの差、期間の多さに比例して	
 レートが不利になると考えます。	
 1日当たり0.05%と予想した場合、	
 0.0005  x 60 = 0.03 = 3%	
 125.00円  x (1+0.03) = 128.75円	
 となりました。	
	
 この場合は、128.75 x 40,000	
  = 5,150,000円	
 の支払い資金が必要です。	
	
 すぐに払えば、500万円ですが、	
 支払時期を遅らせるとそれだけ	
 レートのリスクを負うことになるのです。	
	
 実際には、逆にレートが有利になる	
 場合もあります。	
 しかし、実務上は、リスクがあると仮定、	
 予想し、このような計算をします。	
	
 このように、為替リスクは原価計算に	
 盛り込む必要があるのです。	
	
②運送費用	
  下記の要素により、その金額が変動します。	
  一つ目の要素は、商品の受渡し条件です。	
  EX.WORKS, FOB, C&F, CIFなどの条件です。	
	
  できるだけC&F(海上運賃込み)にしましょう。	
  理想を言えば、DDUです。	
  【Delivered Duty Unpaid】	
   仕向地持ち込み渡し関税抜き条件	
  この条件の場合、輸入者が船会社に	
  払う費用はありません。	
  	
     それ以外の条件では、	
  (C&FやCIFでも)	
  輸入者は、船会社への支払い費用が	
  発生します。	
	
③通関費用	
  通関は、通関代行業者に任せるケースが	
  多いでしょう。	
  しかし、輸入通関料、取扱手数料だけでも、	
  最低2万円以上かかります。	
   通関件数が多い場合、税関が近い場合	
  自社通関も検討して方が良いでしょう。	
	
④送金費用	
  支払条件によって変わります。	
  信用状を使う条件の場合、特別な費用が	
  かかります。その開設・修正費用など。	
  手続きも面倒です。	
  また、前払いと後払いで全額払うやり方は	
  1回の取引に、2回分の送金費用が必要。	
  信用ある相手には1回の送金にすること	
  にしましょう。	
	
⑤国内運賃	
  商品が港倉庫に到着後、その港倉庫から	
  自社まで運送する国内運賃です。	
  商品の量が多い場合、自社で直接に	
  引取りに行くことの方が安い場合も	
  あります。	
	
⑥保険費用	
  海上保険:	
  絶対に必要というものではありません。	
  但し、万一を考えた場合、できれば	
  保険をかけておきましょう。	
  特に1回当たりの入庫金額が大きい場合	
   検討した方が良いでしょう。	
	
  P/L保険(製造物責任保険):	
  輸入者は国外の仕入先の代わりにこの	
  P/L上の責任を負うことになります。	
  製造物責任を問われる可能性の高い	
  商品を扱う場合は、検討が必要です。	
	
⑥税関検査	
  抜き打ち検査ですが、税関検査される場合	
  があります。	
  その検査の規模にもよりますが、	
  それに応じて費用が発生します。	
   輸入者負担となります。	
	
  輸出入者符号を取得していない場合、	
  そして、初めて輸入する場合など、	
  税関検査されやすいということです。	
	
  輸出入者符号とは、通関を円滑、迅速に	
  行うために必要なコードのことです。	
  これが無くても、輸出入はできます。	
  しかし、これ無しで輸入する場合、	
  輸入者の輸入実績のデータが税関に	
  無いことが理由で、頻繁に税関検査	
  をされる可能性があります。	
	
  尚、この輸出者符号の取得には  	
  若干の費用がかかります。	
  同じ機能を有する「税関発給コード」が	
  あります。この取得は無償です。	
	
⑦梱包材の処理費用	
  輸入貨物が木製のパレットや木製の箱で	
  輸入された場合、その木材が検疫に	
  かかる場合があります。	
  事前に検疫を受けなくても良い公的な	
  表示のある場合は大丈夫です。	
	
  木製の梱包材を使って輸入される商品に	
  ついては、必ず事前に確認しましょう。	
   検疫不要の処理をした梱包材を使用して	
  もらうように輸出者に指示して下さい。	
	
⑧関税	
  輸入商品の場合、関税が必要な場合が	
  あります。	
  通常、繊維・皮革製品にはかかります。	
  また、完成品でない半製品や部品だけの	
  商品にもかかる場合があります。	
  	
   商品により、原産地証明書を添付すれば、	
  関税が全額、または一部免除される場合	
  もあります。	
	
  詳しくは、最寄の税関で確認して下さい。	
  輸入割当がある場合や、FTAなどの	
  貿易協定の進捗具合によっても	
  変わります。	
	
⑨消費税	
  輸入品の消費税は、輸入時にしかも	
  税関に直接支払うことになります。	
  計算方法は、	
   (商品代金+海上運賃+保険+関税)	
    x 消費税率 となります。	
 	
⑩その他	
  有償見本費用	
  金型費用	
  指定梱包費用	  	

11-1.貿易だから稼げる五つの理由

貿易の達人メニューへ戻る