第19章 貿易を科学する			
最速で貿易事業の達人になる秘訣 -7-			
「商」で目標とその根拠を創ること -2-			
			
第18章の続きです。			
			
未来の目標から逆算して、貿易事業の目標を			
設定しました。初年度は、400万円です。			
これを具体的に逆算することで、必要な売上や			
仕入、経費を計算します。			
			
①400万円は、収入です。			
   会社では、営業利益に相当します。			
  売上から仕入を引き、さらにそこから			
  経費を引いた金額です。			
  但し、税引き前の収入のことです。			
			
  そして、逆算する時にどうしても必要な			
  要素があります。			
  粗利率と経費率です。			
   粗利率は、売上から仕入を引いた粗利額			
  を売上で割った率です。			
  経費率は、経費の金額を売上で割った			
  率です。			
			
    ここでは、粗利率を50%, 経費率を10%と			
  想定します。			
  そうすると、必要な年間の売上と経費が			
  算出できます。			
			
  400万円÷(0.5-0.1)=1000万円が			
  必要な売上です。			
  経費は、100万円が限度です。			
  仕入は、1000万円x(1-0.5)=500万円です。			
			
    売上	1,000	万円	
仕入	500	万円	
粗利	500	万円	(売上総利益)
経費	100	万円	(販売管理費)
利益	400	万円	(営業利益)
			
目標の金額の設定は、以上です。			
次に、その目標金額を達成するための内訳を			
決定しなければなりません。			
そのためには、下記の条件を決める必要が			
あります。			
			
①商品の品目内訳			
②品目別商品の平均単価			
③品目別商品の販売数量			
	①品目	②数量	③単価
	商品A	1000	4,400
	商品B	400	5,000
	商品C	300	6,000
	商品D	100	8,000
	商品E	100	10,000
			
			
最低限、上記の内容まで決める必要があります。			
そして、このような売上が達成できるように、			
具体的に何をするのかを計画します。			
販売方法や、仕入先の選定、商品の仕様など			
です。			
			
この目標を達成する費用の予算も決めます。			
貿易の場合、販売に関わる費用と仕入に			
関わる費用、その他の費用の3つに分類			
できます。以下、その例です。			
			
販売に関わる費用(販売管理費)			
・カタログやDMの作成に要した費用			
・販売サイトへの商品販売手数料			
・販売代理店へ支払う手数料			
			
仕入に関わる費用			
◎関税, 税関検査費用			
◎通関費用			
◎船会社に支払う費用			
◎海外送金又はL/C手続き費用			
◎各種証明書発行手数料			
◎見本代(運賃も含む)			
			
その他費用			
・梱包資材			
・加工費, 部品代			
・通信費			
・事務用品費			
・地代家賃			
・外注費			
			
尚、貿易事業においては、自国から距離が			
遠ければ遠い国ほど貿易のリスクや経費が			
高く、貿易の量が少くなる傾向があります。			
初期の時点では、できるだけその距離の近い			
国での貿易事業を検討しましょう。			
			
このことは、貿易の重力モデルという理論で			
貿易量を決める公式: 			
【貿易量=各国経済規模÷各国間の距離】			
に基づいてデータ的には実証されているとも			
言われています。			
			
日本の場合、まずはアジア圏内での取引先を			
選択すべきでしょう。			
特に近い台湾・韓国・中国の場合、何かの			
トラブルが生じた時、直接会って話し合いを			
することで解決が可能です。台湾の場合など			
現地で低費用で裁判を起こすことも可能			
です。			
			
そして、このような費用計算と共に、			
その準備のために、どのくらいの時間が			
投入できそうか、時間の予算も立てて下さい。			
この講座では、個人が起業する場合と、			
貿易事業の経験の浅い小規模企業を前提に			
解説しています。			
			
従って、特に個人の場合など最初は副業的に			
貿易事業を立ち上げる方も多いでしょう。			
その場合は、毎日或いは毎月どの程度の時間			
を投入できるか、時間の予算化が必要です。			
			
筆者の知合いの場合、副業的に実践している			
ため、月間で180時間が限度とのことでした。			
朝夕の通勤時間4時間と、毎日最低2時間、			
土曜日,日曜日の週末は、合計最低15時間			
をこの事業のために投入しています。。			
(平日6Hx20日+週末15Hx4週)			
			
尚、18章で述べた「あるべき結果」を元に			
何をすべきかを決めて行く方式そのものに			
実は、科学的な根拠があります。			
			
それは、超ミクロの世界での話です。			
原子とか電子の物理での話です。			
結論から言うと、このような超ミクロの世界			
では、結果がでるまである仮説である式を			
当てはめることでその原因となるものを			
特定します。			
			
結果的に成功した式が、正しい式であった			
というやり方です。結果が出るまで、とにかく			
いろいろな式を当てはめて行くものです。			
その式が当てはまるかどうかはやってみない			
というやり方です。結果が出るまで、とにかく			
延々と新しい式を当てはめて行きます。			
			
そして、何万回も何十万回も計算した結果、			
偶然その解に当てはまる式が発見されます。			
それが、正解の式ということになります。			
			
この場合、原因があって結果が出るという			
世界ではありません。			
結果が出そうなことを無限的に繰り返した			
結果としてその元なるものが分かったという			
ことです。			
			
実際に、スーパーコンピューターを使った			
計算される量子化学の世界では、原因から			
結果を出すのではなく、結果がその原因を			
決めると言っていいでしょう。			
			
但し、この考え方にも一つ大きな問題が			
あります。それは結果を出すのに、果たして			
そんなに多くの失敗や試行が許されるか			
どうかということです。			
人生において時間は、有限です。科学の			
実験をするほどの回数を失敗することは			
できません。			
			
しかしこの問題を解決する方法もあります。			
一つの方法として小さな失敗、リスクの低い			
を限りなく繰り返すということです。			
それが、成功するまで。			
			
日本製のロケット開発については、非常に			
進歩しました。「はやぶさ」の例もそうです。			
宇宙の小惑星「イトカワ」への到達と帰還			
です。			
			
このロケットの開発の初期の頃、予算の			
関係もあり、ペンシルロケットと呼ばれる			
小さいなロケットでロケットの実験が			
行われたのは、有名な話です。			
			
同じように、例えば、まずは副業で開始する			
ことにして、リスクを少ない状態でいろいろ			
やり方を試すという方法です。			
とにかく、成功しそうな方法を無限に考えて			
市場でテストすることです。			
			
そのためには、小さなリスクは必要です。			
例えば、個人事業での法人登録をすること			
です。			
或いは、最初は外注先をうまく利用して			
自分自身は、最重要な仕事のみに			
徹することです。			
			
とにかく、自分にできる範囲で小さな失敗は			
恐れずに、成功するまでやってみることを			
おすすめします。			
		
     - 次章に続く -				

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