第27章 貿易を科学する
最速で貿易事業の達人になる秘訣 -15-
「差」のシュミレーション

第26章の続きです。

未来の目標から逆算して、貿易事業の目標を
設定しました。

貿易事業で成功するには、結果目標から逆算
すること。
小さな失敗を恐れずに成功するまで継続する
ことが大切ではないかと申しました。

しかし時間に限りがあります。継続するにも
その限度があります。
どうすれば、その限度以内に目標を達成する
ことができるでしょうか。(最速で)

それには、試す事業内容を超高速で行うしか
ありません。

ここでは、そのための提案を、この講座の
読者へ発信し続けて参りました。

今回は、再度、「差」をテーマにします。
「業界」と「商品」は、既に決定したと仮定
します。
ここでは、バイク業界でバイク部品と仮定
して進めます。

尚、どの業界の何の商品をまだ決めかねて
いる読者には、血液型と干支と性別のみを
メールいただければ、筆者独自の見解により
ご提案させていただきます。

さて、バイク業界のバイク部品はすでにその
大半が輸入部品に依存しているのが現状
です。
その理由は、日本の四大メーカーの売上は
そのほとんど海外であり、海外で部品を製造
する工場が多くあるからです。

従って、国内でバイク部品の輸入業者同士が
競合しているというのが現状です。
国外業者の方が圧倒的に安いので、貿易事業
として内外格差があるという意味では貿易事業
で扱うものとしては最適な商品でしょう。

主に、中国、台湾、タイの三ヶ国です。
価格差なら中国、品質なら台湾製です。
タイはその真ん中くらいでしょう。

但し、国内の輸入業者が非常に多いこと、
商品の販売にはある程度の技術的な専門知識
必要です。その理由は、バイク本体だけで
五千種類は世界であると言われ、その内の
約40%を日本車が占めているからです。

そんな環境条件で、資本力も乏しい個人が
どこに「差」を発見すれば良いでしょうか。
このケースでは国内の輸入業者に競合できる
「差をどこに見出すのか」が一番の課題です。
国内のバイクの販売台数は減少傾向にあり、
最盛期の1/6と言われ、今後の伸びは期待
できません。

そこで、幾つかの仮説を立てて、机上で検証
作業を行います。
まず、その仮説をどうやって立てれば良いの
でしょうか。
幸い、筆者は本業界に約7年間在籍した経験
したことがあります。

そこで、感じたことは、下記のとおりです。

・従業員数10名以下の小規模輸入業者が
 年商1~3億円程度でまだ健闘している。

・但し、業界の人件費は安く、またその他の
 労働条件も良いとは、言えない。

・50~100億円の売上規模の輸入業者も
 存在し、業界間での格差は大きい。

・そのほとんどの業者が、自前の物流機能を
 持ち、小さくても倉庫を有している。

・バイク店用で良く売れる実用市場である
 通勤用業務用のバイク部品は補修部品
 が多い。
 一方、趣味でバイクで乗る人用のカスタム
 部品の需要もまだ多い。

・補修部品市場の平均単価は千円以下。
 カスタム部品の場合でもその約2~3倍。
 
・小規模企業の取扱い商品点数は、約五千。
 すべて在庫すると負担になるので、
 競合者同士でも取引がある。

・従って、新規参入業者は少ない。一方、
 廃業する業者は今後は増加する見込み。

・補修部品は消耗品類が多い。

今の自分に無い条件は、下記のとおり。
①倉庫を持っていない
②仕入等の資金が不足
③技術的に深い知識や経験が不足

但し、次のことは熟知している。
④国内外の有力な仕入先
⑤売れ筋商品の仕入価格と販売価格
⑥国内の販売先情報
⑦国内販売で活用できる媒体情報

このように整理してみると、下記のことが
分かります。

①と②の要因は、資金の手配ができれば解決
可能です。
③の要因は、既存のバイクショップの協力を
得られれば可能です。

従って、多少の苦労はあるでしょうが、
やり方次第でこの市場に参入できる可能性
があるということです。

一番の問題は最後発の輸入部品卸売業者又は
小売り業者として、いかに既存の競合先に
「差」をつければ良いのでしょうか。
業界全体としては、市場は縮小傾向であり、
未来のある市場ではありません。

そこで、この業界にはあまり見られない販売
方法に着目してみます。
例えば他業界の場合、欧米では「レップ」と
呼ばれる販売専門のメーカー代理店制度が
あります。

営業はするが、実際の受注や発送はすべて
メーカーが行うやり方です。
レップは、メーカーを代表して営業活動のみ
を行うことになります。
そして、注文が成立したらメーカーは一定の
バックマージンをそのレップに払います。

但し、今の日本のバイク業界には向かない
可能性も高いビジネスモデルです。
ネットを介して直接交渉ができるように
なった現在、余程複雑な商品でなければ
そのようなレップは多分必要ないのかも
しれません。

ここで言う「差」は、販売形態です。
このレップという販売形態は、レップ自身は
あまり経費がかかりません。
在庫も置かないので、倉庫も不要です。
しかも、エンドユーザー(最終顧客)へ売る
小売りではなく、通常相手先は国内の卸売り
業者となります。

しかし、在庫リスクも保管費用もかからない
ので利幅は多くありません。
また、将来、メーカーとユーザーが直接取引
され、レップを解消されるリスクもあります。

果たして、この問題を解決する方法はある
でしょうか。
				
     - 次章へ続く -				

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